
この記事で紹介している製品
10インチAndroidバッテリーレスタッチパネルPC
『LT-H0310C』をリリース
LT-H0310Cは4代目のバッテリーレスタブレット
世代 | シリーズ名 | 発売年 | OS | SoC |
---|---|---|---|---|
初代 | LT-H0310 | 2014年 | Android4.1.1 | Amlogic 8726-MX |
2代目 | LT-H0310A | 2015年 | Android4.4 | Rockchip RK3188 |
3代目 | LT-H0310B | 2018年 | Android6.0/9.0 | Rockchip RK3288 |
4代目 | LT-H0310C | 2025年 | Android12 | Rockchip RK3568 |
常時給電、据置き利用に特化したAndroidバッテリーレスタブレット
2010年にiPadが発売されて以降、タブレットは利便性の高さから業務用端末としても利用される機会が増えました。特にAndroidタブレットは、中国製の低価格タブレットの流通に伴い、業務利用が加速しました。
そうした中、ロジテックから「常時給電・据え置き利用に特化したAndroidバッテリーレスタブレット」を2014年に発売し、タブレットの多様なニーズにおいて新たな価値を提供しました。
バッテリーレスタブレットとは何か?
バッテリーレスタブレットとは、一般的なタブレットからバッテリーパックを取り除いた
タブレット端末になります。
一般的なタブレットはバッテリーパックを内蔵しており、大画面でありながら携帯性に優れたモバイル端末として、さまざまな分野で活用されています。
一方で、バッテリーレスタブレットはバッテリーパックを外し、据置き利用に特化した業務用端末となります。
タブレットの活用事例
<モバイル性重視=個人利用>
ネットブラウジング、動画視聴、ビデオ会議ツール、リモート会議、営業ツール、プレゼンテーション
など
<据置き利用=業務利用>
店舗内デジタルサイネージ、機器操作用コントローラー、POSレジ端末、受付端末、勤怠管理端末
など
バッテリーレスタブレットが生まれた背景
タブレットはその利便性の高さから、さまざまな分野で広く活用され始めましたが、バッテリーに対するリスクも知られるところになりました。
バッテリーに対する主なリスク
- 過充電によるバッテリー膨張や劣化
- バッテリー性能低下による動作不良
- 過放電による起動不能 (しばらく充電しないと電源が入らない)
- 充電端子の耐久性不足 (電源端子の抜き差しによって電源コネクタが破損する)
特に、POSレジ端末や注文受付端末など常時給電が前提となるケースでは、『過放電による起動不能』や『充電端子の耐久性不足』が頻繁に発生する問題として大きな課題となりました。
そこで、これらの課題を解消する目的でバッテリーレスタブレットを開発、製品化しました。
バッテリーレスタブレットの利点
バッテリーレスタブレットは、バッテリーによるリスクを解消するために開発されましたが、以下のようなメリットも得られました。
バッテリーレスタブレットのメリット
- 24時間運用が可能
バッテリー切れを気にする必要がなく、長時間の連続稼働が可能に。 - 固定設置が可能
携帯性を犠牲にしたことで、本体に取付穴を設け固定設置が容易になった。 - 充電端子の耐久性向上
給電ケーブルの抜き差しが不要になったため、端子部故障の他、
端子抜け防止などの対策も可能となった。 - コスト削減
バッテリーやその管理に関連する部品が不要になりコストが削減できた。

バッテリーレスの開発における課題
バッテリーレスタブレットは、バッテリーに対するリスクは回避できたものの、新たな課題も見えてきました。
バッテリーレスタブレットの主な課題
- 24時間運用への対応
動作不良、アプリケーションフリーズなど途中で止まることが致命的となります。 - 通信不良、ネットワークの切断など
インターネットを介して死活管理やコンテンツ配信が行われるため、ネットワークの信頼性が重要となります。 - 画面異常、画面が表示されないなど
24時間常時点灯となるため耐久性が重要となりした。
個人利用では動作が不調になっても再起動すれば回避できた症状も、業務利用では無人での運用となるため、即座に再起動や修理ができないことが致命的な問題となります。
これらの課題を克服するため、ハードウェアの強化やソフトウェアの最適化が必要となりました。
課題の解決に向けて
国内自社工場による環境評価試験の実施運用に加え、バッテリーレスタブレット独自の基準を設け耐久性強化に取り組みました。

- 電断テスト:10,000回以上
- 再起動繰り返しテスト:10,000回以上
- 連続動作テスト:1,000時間以上
その他、ユーザーカスタマイズ、対応力強化も図りました。
Android OSはオープンソースのOSのため、自由度が高くカスタマイズが容易に行えます。
それゆえデバイス毎に仕様が異なり思うように動作しない場合もあります。
そうした中、ロジテックとしてはカスタマイズ要求に対しても、問題が発生した場合も迅速に原因を究明し改善する体制を整えてまいりました。
これらの対策により、より安定した信頼性の高いデバイスが提供できるようになり、この度以下の10インチサイズおよび7インチサイズのAndroid12搭載のバッテリーレスタブレット2機種をリリース致します。
バッテリーレスタブレットの製品ラインナップ

今後の展望
用途として多い電子配信(デジタルサイネージ)や電子POPの分野では、コマーシャル映像を流すだけでなく、AIを活用した人流解析や、複数ディスプレイを組み合わせた高精細な動画再生など、より高度な機能が求められています。
それに伴い、端末にはさらなる高性能化が必要となります。
当社では、これからもさまざまな用途に適したバッテリーレス端末を開発し、お客様のニーズに応える製品を提供してまいります。
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記事内容について
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