製品導入時の技術サポート(プロトコル解析)について

製品導入時の技術サポート(プロトコル解析)について

この記事で紹介している製品

はじめに

お客様が製品をご採用される場合、おおよそ以下の工程があるかと思います。
 1:データシート確認
 2:製品選別
 3:実機検証
 4:採用判定 

採用にあたり何も問題がなければ良いですが、懸念点があれば改善を検討するものと思います。
例えば、過去にあったトラブルなどは、原因を追求して対策されているのではないでしょうか。

弊社では、弊社製品を納得してご利用いただくために、さまざまな技術サポートを行っております。
その一環として、プロトコル解析をサービスとして提供しております。
今回はこの“プロトコル解析”について、ご説明いたします。

そもそもプロトコルとは?

 通信する際に決められた約束事 = 通信規格になります。

プロトコル解析でどんなことがわかるのか?

 ・信号規格に準じているか
 ・規格違反をしていないか
 ・例外的な処理が発生していないか
  など確認できます。

解析で使用する機材

弊社は各種アナライザーを複数台所有しております。 ※一例です。
当然ですが、弊社製品ラインナップに対応している機材は取り揃えております。

ここから先は、SATA製品の問題発生時の一例として記載いたします。

現象例

問題:BIOSでSSDが認識しない現象が発生する
→ 原因は色々考えられますが、まずはバスデータを取得してみます。

認識成功時

認識失敗時

認識失敗時は、HostからのCOMRESETに対して、DeviceからFIS 0x34が出ていませんでした。
HostとDeviceでお互い通信可能な状態になり、通信が確立出来るとデバイスはFIS 0x34(D2H FIS、Signature FISとも呼びます)を送信します。
Hostの振る舞いは変わらないため、Device側に要因があることがわかります。

問題:起動時にSSDを認識しない場合がある

解析例1と同じような現象です。まずはバスデータを取得してみました。

起動シーケンスは問題ありませんが・・・

シャットダウン時、通常はHostからのStandby Immediateを受けてHostもDeviceも電源OFFとなります。
問題となったHostはStandby Immediateの後、COMRESETを出していることがわかりました。


通常はシャットダウン後、HostやDeviceの電源はOFFになります。
ですが今回の事例のようにHostからCOMRESETが発行され、もしDevice側に電源が供給されている場合、起動シーケンスが開始されてしまいます。

今回の計測ではDevice側は反応がありませんでした。
恐らくHostへの電源供給とは別系統で電源供給されているものと推測します。
もし、少しでもタイミングがズレてDevice側の電源OFFが遅れた場合、起動シーケンスが開始された中で電源が切られ、電源断が発生します。

電源断の発生後、Deviceは次の起動時に修復作業を開始します。
ここで、管理情報を修復できれば問題ないですが、お問い合わせを頂いた内容から
①修復に失敗するケース
②修復に時間がかかってしまいTimeoutしているケース
が考えられます。
本ケースは時間をかければ正常に起動したため、②のケースでした。

2つの事例を上げましたが、「SSDが認識しない」という現象は同じでも、プロトコルを確認すると内容が異なっています。正しい対応をするためには、まず何が起きているかを正確に知る必要があります。

解析サポート

プロトコルアナライザーを用いて、発生している現象を確認し、問題に対して対策を講じることが可能となります。
当社製品であれば、このようなサポートが可能です。ぜひご検討頂ければ幸いです。

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記事内容について
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