SSDの選びかた(5/5):使いかたに合うSSDを選ぶには

SSDの選びかた(5/5):使いかたに合うSSDを選ぶには

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おことわり

 この記事は、2019年12月にQiitaに投稿した記事を加筆修正したものです。

 また、この記事のオリジナルは日本語で書かれています。記事が日本語以外の言語で表示されている場合、それは機械翻訳の結果です。当社は機械翻訳の精度に責任を負いません。

はじめに

 これまで、NANDフラッシュメモリを搭載したSolid State Drive (SSD)を選ぶ際に良く参照される「寿命」と「性能」について、以下のような内容をご紹介しました。

 このままでは「それではどのようにSSDを選んだらよいのか」ということが不明ですので、この記事では一連の記事のまとめとして「SSDの選びかた」を説明します。

まとめ

  • SSDの使いかた確認がSSD選びの第一歩
  • SSDの使いかたにより重視すべき項目が変わる

SSD選定用チェック表

 これまでの記事でご説明した通り、NANDフラッシュメモリを搭載したSSDの寿命や性能はSSDの使いかたに大きく依存します。

 このため、SSDの使いかたを確認することがSSD選定の第一歩です。

 下記の表は、SSDの使いかたに着目したSSD選定用チェック表です。「ReadとWriteの比重」や「アクセスの傾向」などの「項目」列の内容が「SSDの使いかた」にあたる内容です。

matrix of factors for SSD selection
表:SSD選定用チェックリスト

 SSDを選ぶにあたり、まず、この表の各項目について、選定対象のSSDの「使いかた」がレベルSからCのどれに該当するか(最も近いか)を確認します。

 そして、レベルSからCのそれぞれのレベルに何個の項目が該当したかを確認して次のステップに進みます。

使いかた別「SSDの選びかた」

 SSDの選びかたは、表のレベルSからCまでの各レベルに何個の項目が該当したかにより変わります。

 それでは、それぞれの使いかたを一つずつ見ていきます。

「レベルS」がひとつでもある場合

<公表されている指標だけでは選定不可能! 実運用レベルの評価・試験に基づく選定が必要>

 いずれかの項目のうちひとつでも「レベルS」の内容に該当する場合、SSDの選定は可能な限り慎重に行う必要があります。

 というのは、寿命にしても性能にしても、カタログに記載されている数値やベンチマーク性能を取得(計測)した環境と、実際にSSDが使用される環境との乖離がとても大きいからです。

 この使いかたをするSSDを選ぶ場合は、可能な限り、実際のシステムにSSDを組み込んで実ワークロードで性能確認や寿命の推定などを行い、要求仕様を満たすものを選定すべきです。

 メーカーサポートの有無や(契約)内容なども重要な選定ポイントになり得ます。

「レベルA」がひとつでもある場合

<できる限り容量の大きいものを! エンタープライズ向けSSDも選択肢になり得ます>

 「レベルS」の内容には該当しないものの、ひとつでも「レベルA」の内容が該当する場合、できる限り容量の大きいSSDを選定すべきです。

 これは、「レベルA」の内容が高性能と長寿命(高信頼性)を求めるものであるのに対し、NANDフラッシュメモリを用いたSSDは基本的に容量が大きければ大きいほど性能が高く寿命が長いことを期待できるからです。

 また、この使いかたの場合はエンタープライズ向けSSD(エンタープライズSSD)が適している可能性があります。このため「エンタープライズSSDを評価する」というのも選択肢の一つです。

 というのも、「レベルA」の内容の多くは、データベースシステムやミッションクリティカル系システムなどのエンタープライズシステムにおけるSSDの使いかたに近いからです。

 なお、ここで言う「エンタープライズSSD」は「データセンター向けSSD」とは異なりますのでご注意ください。

 もちろん、「レベルS」の内容に該当するものがある場合と同様に、実ワークロードで性能を確かめたり寿命の推定を行えるのであれば、それがベストです。

 もしそのような評価ができない場合は、とにかく大容量のSSDを選択すべきです。

「レベルB」がひとつでもある場合

<寿命に要注意! 選定は「寿命」を重要基準に>

 「レベルS」と「レベルA」の内容に該当しない場合でも、ひとつでも「レベルB」の内容に該当する場合、SSDの選定には注意が必要です。

 「レベルB」の内容に該当する場合、特にNANDフラッシュメモリの寿命、ひいてはSSDの寿命に対して十分な考慮が必要です。

 なぜなら、「レベルB」の内容はいずれもNANDフラッシュメモリのデータ信頼性や寿命に対して厳しいアクセスパターンだからです。

 この使いかたでは、使用されているNANDフラッシュメモリの品質、およびSSDコントローラによるNANDフラッシュメモリのケアなど、寿命に関する情報を収集して選定すべきです。

 ひとつの方法としては、「レベルA」に該当した項目がある場合と同様に、できるだけ容量の大きいSSDを選ぶ、という方法があります。

 もちろん、他の使いかたと同様に、実ワークロードで性能を確かめたり寿命の推定を行えるのであればそれがベストです。

「レベルC」の内容のみ該当する場合

<選択肢が最も多い使いかた! そのぶん玉石混合なので注意も必要!>

 「レベルC」の内容にのみ該当した場合、選択肢が最も多くなります。

 価格、容量、メーカーなど、お好みの条件で選定しても、選定(購入)時点で最新のものであれば、大きな問題は起きないと考えられます。

 ただし、選択肢が多い分、性能、寿命、品質等、様々な製品が存在する(ばらつきが大きい)ため、逆に注意が必要とも言えます。

 この使いかたにおいても予算が許す限り大容量の製品を選んだほうが良いです。

 また、実ワークロードで性能を確かめたり寿命の推定を行えるのであればそれを行うに越したことはありません。

おわりに

 これまでの一連の記事で、NANDフラッシュメモリを使ったSSDを選定および使用するにあたり誤解されていることが多い点や是非ご理解いただきたい点をまとめました。

 NANDフラッシュメモリとそれを搭載したSSDは、その大容量化にともないこれまで以上に「上手に使うにはその性質を正しく理解することが必須であるデバイス」となり、使いかたにより寿命や性能が大きく変化するようになりました。

 SSDの性質の正しいご理解を通じて、よりご使用方法に合うSSDをより良く使用して頂ければ幸いです。

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